先日放送されたNHKのテレビ番組に影響されて、電子で買ったものを再読。本棚からごそごそ探してこなくていいのは電子の利点だな。
告白しよう、私は直子を○子と読み替えて読んでいた。もちろんノルウェイのように濃厚でエロチックではなく火事や自殺者もない、薄っぺらいものだけど。
だから中央線の車内で出会って、だんだん距離が詰まっていく感じの描写とか、すごく刺さる。
ワタナベは大人っぽい考え方をする人物だし、読んでいる方もティーンエイジャーではないから目線が自然と高くなってしまうのだけど、実際は17〜21歳くらいの話で、今回は読者目線をそのあたりまで下げて読むことができた、そうすると本当に100%の恋愛小説なんだなーと腹落ちしたような読後感を初めて得ることができた。
もう2度と描かれないであろう種類の村上作品で、本当に貴重で独特な立ち位置にある小説だ。
そういえば昔は文庫本を片っ端からかって、ズラッと本棚に並んでいたものだが何度か引っ越しをするうちに散逸し、そのうち収納が少ないからと押しやられ、電子書籍派になったので本棚というものが家の中になくなってきている。これはこれで寂しいな。
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