しかしそんな会社に何十年いても転職は難しい。転職は転職であって転社ではない、賃金も職能給よりも職務給の形で提示されることが多い。
書店に何年いても、転職に必要な技術を身に付けることは難しいし、書店の仕事に職務給が当てはまるとも思わない、だから名ばかり係長、名ばかり課長がたくさん発生して、最後まで不思議な感じがしていたのだが、その不思議さが歴史を紐解く形で解説されている。
海外では管理職というれっきとした職種があるのだが、日本では勤務年数が上がればほぼ自動的に管理職になり、給与も上がり、管理職だからと残業代が付かなくなる。しかし実態は管理者ではなく、都合のいいときだけ管理職だから、と言われることも多く、だったらならなくてもいいと思っていても基本的に拒否権はないし、給与は上がるからまあいいかな、とか。
後はやはり割を食っているのは誰かという問題、就職氷河期の若者なのか、追い出し部屋に歳込められる中高年なのか、日本的雇用が崩壊する中で誰が一番損をしているのろうか?などと考えさせられる一冊。だ
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