2021年4月16日金曜日

母親のこと その1 まずはどこに住むのがよいのかを決めなければならない 


80歳になる母は神戸に住んでいたのだが、2月はじめ、突然電話をかけて来て故郷に帰るけど良いかと聞く。彼女の故郷は長崎市の外れにあり、以前から帰りたがっていたのだ。様子がおかしいと思って良く聞くと一緒に住む長女と喧嘩をしたらしい。帰るといっても家もないのにどこに帰るのか?

翌日、長崎の親戚からも電話、長崎市郊外の時津にあるサービス付き高齢者住宅に空きがあるので、そこのパンフレットを送るという。調べると母親の故郷からは約2時間、長崎の中心部からも離れていて、なぜそこなのかが分からない。

別の親戚に電話すると、その親戚は医療従事者でコロナに警戒しているらしい、そういえば施設に電話すると県外からの見学はコロナ収束までは出来ないと言われた、高齢者の施設でクラスタが発生すると目も当てられないことになるのは理解できるが、時津では意味がなくはないか?

では、80歳になる母親が一人で暮らすにはどうすればよいかと考えてみる。

1,故郷の近隣のサ高住
2,故郷近隣の市営住宅など
3,親戚の持つ空き物件

1は緊急時に対応できる保証人が必要で、さすがにこれは長崎の親族には引き受けてもらえない

2は先に住民票を移して応募、抽選に当たる必要がある、民間の物件は過疎地のため皆無、中心部に40分ほど戻ると物件が無くはないが、誰もいないところでひとり暮らしは無理だ。

3は持ち主に確認するととても住めた状態ではないらしい

そうこうしていると母親からは仕事場にも電話がかかってきて、なんとかしてくれと言う。そこで方向転換、とりあえずは東京に呼び寄せることにして、コロナ収束後には長崎に返すことで母親にも納得してもらう。さて候補は3通り。

1,東京のサ高住
2,東京の一般住宅
3,東京のこの家

1はそもそも最初にサ高住の話が出たので最初に検討してみたが、自立しているならわざわざサ高住に入る必要がないと気がついて却下。

2は民間の住宅はまず入居できないであろうという頭で、セーフティーネット住宅や高齢者向けシェアハウスを当たってみるが、区内には空きがない。しかし普通の不動産屋に問い合わせると、保証人がしっかりしていれば自立している高齢者が入れる物件もあるらしい。
3も最初は考えてみたが本人は母親もそのつもりは無いらしい。

いくつか不動産屋を当たって普通の賃貸マンションで高齢者OK、2部屋で5万7千円の物件があったので、母親に送ったタブレット越しに見せると高すぎると言う、20年前に私が住んでいた新小岩の物件はこのくらいの価格だったが、母親は家賃を自分の国民年金で賄うつもりらしい。

そんな廉価な物件があるかと思いきや、足立区の最深部には激安のワンルームが存在していた。築30年だが意外にきれいでリフォームされており近くにはスーパーやコンビニもあり、不動産屋によると最近は治安も良いらしい。母親にリモートで画面を見せるとOKで、さっそく保証会社の審査にかけてもらう。

審査に通ったら、ハイエースを借りて母親の身柄と家財道具を一度に東京に持ってこようと思う。片道7時間、行きと帰りで2日間のお大仕事となるが、愚息の手を借りれば引っ越しも運転も何とかなるだろう。桜が咲く頃までにはなんとかカタを付けたいものだ。

その後、落ち着いてから必要であれば介護申請とか、実家の権利関係を片付けるつもり。神戸の家は実は長女の名義でもなく母親の名義でもない、その前に住んでいた大阪の実家は母親の名義だが貸してしまっているようで、契約はどうなっているのかが分からないのだ。

しかし、80にもなって右も左も分からない土地のワンルームに住むなんてどんな最晩年かと思うが、ここは最後の親孝行で、安穏な暮らしを実現させてあげたいものだと思う。(画像は5万7千円の物件)

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