2021年1月23日土曜日

読書 ファシズムの教室: なぜ集団は暴走するのか

音楽グループYMOの解散コンサートはまるでナチス。開演前にはワルキューレが流れ、演壇に似せたセットが上下し、そこで軍服に身を包みMCもなく無表情に演奏する3名+デビッドパーマー。親衛隊まで出てくるが、そのセットで「君に胸キュン」も演ってしまう。

NHKでは何度か放送され、レーザーディスクも発売されているのだが、DVD化されていないのは、今は許されないジョークなのだとワタシは解釈しているのだがどうなんだろうか?

しかし海賊版DVDは出回っていて、もう何回見たか分からないくらい大好き、最高にカッコいいんだ。ファッションの意味はファッショから来ている、全体主義は美しくもあるのだ。

この本の著者、田野教授は白いシャツとジーンズを制服に、ハイルタノ!と右手を挙げ、ファシズムを体験するという甲南大学の授業を10年続けるも、クレームをきっかけに今は実施されていないそうだ。しかし、この本が指導手引風に編集されているのは、どこかで授業を再開して欲しいという著者のメッセージかもしれない。

ナチスの熱狂は実は民衆に下から支えられていたと著者は言うが、YMOの熱狂もそれに乗っかり面白がるファンがいて初めて成り立っていた。ファンでも何でもない人から見れば、やっぱりキケンな音楽にも見えるのだろうか?YMOのメンバーは思想的には全く逆なんですが。

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