『銀河鉄道の父』(門井義之)を読んだ。
タイトルからも推測できるのだが宮沢賢治の父親、政次郎目線で書かれた賢治の生涯の物語でもあり、明治から大正を生きた子供を持つ父親目線の物語でもあって、さしずめ村上春樹の父親が村上春樹を語ったようなものだろうか?(違うか、違うな)
今でこそ一応は男女平等、家督や血縁がどうのこうのとは言われなくなっているが、明治7年生まれで文明開化のさなかを生きる政次郎は、その意識変化の只中にあり、揺れる心中がユーモラスに描かれていておかしく、子の親であるワタシの心も打つのだ。
子供が優秀でもそうでもなくても心配し、まして病に倒れれば悩み苦悶し、何かに成功しても喜びながらまた心配して、実は何もできなくて、というのはどの時代でも、自身の親でも同じだったのかもしれない。
宮沢賢治なんて興味ないよ、という人にもおすすめ。
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